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メディアとツールとコミュニティ

Webディレクター解体アドベントカレンダー22日目の記事です。今日はWebサービスを構成する3つの要素、メディアとツールとコミュニティについて書きます。

Webサービスの三要素

Webサービスの企画を考える時、いつも意識している3つの要素があります。だいたいのWebサービスにはこの3つの要素が含まれているので、どの要素にどれくらい力を入れるのかそのバランスを意識しながら全体の設計をします。3つの要素というのは、メディアとツールとコミュニティです。

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メディアは通常媒体を指す言葉ですが、ここでは情報に出会う場くらいの意味で使っています。UGCだったらユーザーの投稿したコンテンツに出会う場所で、ECサイトなら商品を探す場所。例えば新着一覧とかランキングとか検索とかです。

ツールは使っていて便利さを感じる道具のような機能を指します。UGCだったら投稿するためのツールだったり、更新を追いかけるための購読ツールもあるでしょう。ECサイトだったらショッピングカートとか、閲覧履歴やウィッシュリストのような便利さを感じるものをツールと呼んでいます。

コミュニティはユーザー同士の交流が発生する場です。コメントとかレビューとか、テキストでユーザーがやりとりするケースもありますし、お気に入りやいいね!のような非言語で好意を伝えるものもあります。

もちろんサービスのドメインによっては、ほぼ1つの要素しかないものもあります。例えばクラウド会計ソフトはツールの要素しかないし、新聞社のサイトはメディアの要素しかない。でもメディアサイトでもコメント欄があるとコミュニティの要素が入ってくるし、閲覧履歴があればツールの要素が入ってくる。

あえてそういう要素を排除してメディア一本で行くというのも判断ですし、ツールかコミュニティの要素を入れて差別化しようというのも一つの判断です。だからメディアとツールとコミュニティの3つの要素を、自分たちのサービスではどういうバランスで行くべきなのかを考える時の枠組みに使っています。

ユーザー体験の流れ

サービスが提供する範囲を定義するときに使える3つの要素ですが、ユーザー体験の流れを考える時にもガイドになってくれます。もちろんユーザー体験の流れはサービスによってそれぞれですが、定番の流れがあります。

メディア > ツール > コミュニティ

トップページに掲載されたランキングや新着欄からコンテンツに出会い、そのコンテンツが気に入ったので購読して、そのコンテンツの提供者とコミュニケーションを取る。わかりやすい例ですが、この流れに沿って体験がデザインされていることが多いです。

どういう経路からユーザーを獲得し(Acquisition)、最初にどんな良い体験をしてもらって(Activation)、何をきっかけに再訪してもらうのか(Retention)。AARRRのモデルに沿って体験のデザインをする時にも、それぞれのポイントをメディアとツールとコミュニティの何が担うのかを意識すると考えやすいんじゃないかと思います。

自分は何タイプ?

3つの要素は面白いことに、人によって得意な分野が結構偏ってるなと感じることがあります。メディアの構築が得意なタイプ。ツールの作り込みが得意なタイプ。コミュニティの設計が得意なタイプ。

昔のはてなで例えると、はてブを作ったなおやんはメディアタイプで、Mackerelを作ったしんじさんがツールタイプ、そして近藤さんはコミュニティタイプでした。僕が勝手にそう感じてただけかもしれないけど、でもきっとそうです。

実際なおやんはよく既存のメディアに対するカウンターのメディアを作るんだという話をしていたし、しんじさんはエンジニア出身のディレクターに多いツールの使い勝手に拘るタイプでした。近藤さんの考えた記事と記事を間接的にキーワードで繋ぐというはてなダイアリーのユニークな設計は、人と人との繋がりを設計する才能がなかったら出てこない発想だと思います。

それが個人的な嗜好によるものなのか、右脳左脳みたいなその人の生まれ持った特性のよるものなのかわからないのですが、ほんと人によって結構違うんです。面白いですよね。

ディレクターとしてサービスの方向性を決める時、自分が何タイプなのか意識してみるのも良いと思います。せっかく天から授かった武器があるのなら、それを活かした方が成功確率が上がると思います。