Kyoto Mount Chop! 13th ワイルドソロの思い出

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やってきましたマウントチョップ。前回がワイルドもマイルドだったし、前々回は松尾坂1回の少しマイルドなワイルドだったので、久しぶりにワイルドすぎるワイルドが帰ってきました。松尾坂2回に焼杉まで。胸が熱くなります。

僕自身も去年6月に100マイルを走ってから、おんたけ100kmや三十六峰が中止になり、レースは前回のマイルドチョップを走っただけ。こんなに期間空いたことはあるのかというくらい久しぶりのがっつりトレイルです。前々回のチョップでワイルドソロ9位という輝かしい成績を残したものの、半年間の怠けライフの末に前回は39位と見事な凋落。年明けから挽回を誓って2ヶ月ちょっと走り込んできたので、どこまで復活してきたかの腕試しのつもりで挑みました。

ココ最近は忙しく前日はちょっと体調が悪くて心配したものの、当日の朝起きたら嘘のように元気になっていて、こりゃいけるぞと、雲行きの怪しい天気も久しぶりの雨のトレイル楽しむぞと、ポジティブ満開の前向きさでスタートラインに立ちました。フレディのコール&レスポンスに続いてのいつもの唱和。

キョーート!マウントー!チョーーーップ!!!

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撮影:近藤さん (以下、僕が写ってる写真は全て近藤さん)

序盤は順調。北白川児童公園をスタートしてパブテスト病院脇からいつもの瓜生山を巻いていくトレイルへ。前の人に続いてせっせと登っていきます。畝ちゃんと平田さんがすぐ後ろにいて、この2人には負けられない!と勝手な対抗心を燃やしてどんどこ飛ばしました。京都一周トレイル63番から谷を降りて比叡アルプスの登り。まだ雨も降ってないしちょっと暑いくらい。ウィンドシェルも脱いで手袋も外して半袖で水をぐびぐび飲みながら登りました。

登りきって後ろを向いたら畝ちゃんがいない!これはチャンスと快調に下りのトレイルを飛ばし、石鳥居を超えて、水飲対陣之跡を超えて、梅谷を超えて八瀬の市街地に降りてきました。ケーブル駅の横に最初のエイド。ここまで9kmを1時間18分。かなり快調です。コーラを飲んで、今子さんおすすめの生八ツ橋をいただいて、いざ最初の松尾坂へ。

f:id:nmy:20190310101311j:plain つづら折りの連続をひたすら登り続けて西山峠を超え、スキー場跡へと向かう直登をよじ登った先にありました。今回のクイズタイム!

f:id:nmy:20190310101326j:plain 口が臭いって嫌やなー。

f:id:nmy:20190310101331j:plain おしりやったら普通やなー。

f:id:nmy:20190310101358j:plain 脚の先やったら常時にぎりっぺやなー。

f:id:nmy:20190310101437j:plain 三択だと思ってたけど4番あるんやなー。

f:id:nmy:20190310101645j:plain 答えの前に焦らしてくるスタイルもすっかり定着。

f:id:nmy:20190310101731j:plain 本当に良い景色見られたなー。

f:id:nmy:20190310101932j:plain そして意外にもあっさりと正解発表!胸でした〜。

f:id:nmy:20190310102110j:plain 正解発表の後には恒例のトリビアが。後ろ脚の付け根やったら胸ちゃうやーんと思ったけど、カメムシは後ろ脚の付け根に胸があるんだった。勉強になります。

f:id:nmy:20190310102634j:plain 登りは苦手でいつもちょいちょい追い抜かれるけど、多少は想定範囲内。松尾坂を登りきってこっからまた挽回や!と横川を目指して走ります。まだまだ快調。この辺から雨が降ってきたけど体もホットです。

f:id:nmy:20200826162250j:plain 競合い地蔵から東海自然歩道を走って下ってるとまたチャンピオンベルトを巻いた近藤さんが。本日3回目です。雨の中お疲れ様です!

f:id:nmy:20190310110659j:plain 第2エイド、横川の駐車場に到着。ここまで調子もよくて丹羽薫さんに「早いね」なんて言われて有頂天。ウッキウキでうどん食べました。ごちそうさまでした!

平田さんが追いついてきたけど、トイレに行ってるスキにこっそり出発。

f:id:nmy:20190310113702j:plain 横川から仰木峠への道は始めて通ったけど、一回谷に降りてからエグい登りがあってビックリ。しかもすぐ終わるやろと思ったら結構あるし。手こずって時間がかかったからか、その後の仰木峠から大原への下りで平田さんについに追いつかれた!

大原の町に降りたら雨が本降りに。信号待ちしてたら平田さんが「雨でコース短縮ならないですかね」とか都合のいいことを言い出すので「虫がよすぎるでしょ!」とか言ってワイワイ突っ込んだりしながらファミマへ。

f:id:nmy:20190310114910j:plain 今日、最大の失敗はココ。それはファミマで水しか買わなかったこと。ここまで快調だったし、まだジェルも沢山あるからまあいいかと水だけ1リットル買って補充して、買い物中の平田さんを置き去りにしてすぐ出発。

ファミマから焼杉への登山口までの舗装路を走っていると、時計の針が11時50分を指す。運命の正午がついに間近になってきた。

実は、レース当日の昼12時は、息子の大学受験合格発表の時間だったのです。

f:id:nmy:20190310122122j:plain 最初は正午だとちょうど大原のファミマあたりかなと思ってたけど、ちょっと快調で突っ込みすぎて、今日一番キツイ焼杉山の登りに差し掛かっていた。あと5分...。スマホを取り出して、合格した受験番号が表示されるはずのページを開く。雨粒がスマホの画面に降り注ぎ、うまく操作できない。

何とか準備完了して、ハアハア息切れしながらスマホの画面を凝視して焼杉を登る。隣にはいつの間にか追いついてきた平田さんがいて、今から合格発表なんだとか、うまくページが表示されないとか、サーバーが重くなってきたとか、電波がこの先つながるか心配だとか、画面から目を離さずに一方的にまくしたてた。

そして迎えた運命の正午。何度リロードしても、画面が真っ白で接続できない。アクセスが集中してるんだろうと思って少し時間を置いてリロードするけど、焦って気が気じゃなくて1分がめちゃくちゃ長く感じる。やっと画面が表示されたけど、まだ発表されてない。焦れる。リロードしながら焼杉山を登り続ける。2分経ち、3分経ったころ、ついに表示された。合格者の受験番号が書かれたPDFへのリンクがある。降りしきる雨とびしょ濡れの手袋と震える指先に苦戦しながらも、狙いを定めてタップした。

表示された記号と数字の羅列。息子の受験番号を探す。情報の洪水に焦ってどの辺かよくわからない。1、2、3、4...あれ、番号がない。頭が真っ白になる。まさかそんなことがと思って、よく確認したら二桁目が違ってた。ここじゃない。もう少し戻って、この辺にあるはず。息子の番号。あった。あれ、ほんとかな?本当にこの番号だっけと確認する。あってる。じゃあさっき見た数字は焼杉の見せた幻覚じゃなかったか、もう一度確認してみる。あってる。間違いない。この番号だ。合格だ。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおやったああああああああああああああああああああああああああああ」

焼杉山が震えるくらい力いっぱい叫んでいた。隣を並走してくれてた平田さんがおめでとうと声をかけてくれる。ありがとう平田さん。さっきは置いていってごめんね。結構離れて後ろから登ってきていたトリオの人たちも大声で何があったのかと叫んでいる。息子が、合格したんです!僕も大声で応じた。みんなが集まってきて、祝福してくれた。

ああ、やったんだ。本当によかった。あいつの努力が報われたんだと思って、とにかく嬉しかった。涙は雨に紛れるから助かった。何度もやったやったと呟いて、そのまま息子に電話しておめでとうと伝えて、後は興奮して何喋ったか覚えてないけど、いま山を走ってるから後でまたかけるねって言って電話を切った。

ふと気がついたら、平田さんはいなかった。これまで散々トイレやファミマで置き去りにしてきたんだから当たり前です。

f:id:nmy:20190310123559j:plain しばらく嬉しくて嬉しくて、これまでの色んなことが頭の中を駆け回っていた。そうこうしている間に、一番しんどい焼杉の登りも残り半分くらいになってる。辺りは濃い霧が立ち込めていて、雨も降り続けてだんだん寒くなってきた。脚も重たくなってきた。

f:id:nmy:20190310124851j:plain いくつもの偽ピークを経て、焼杉山頂に到着。寒くなってきたからウィンドシェルを着て、ジェルで補給して、次の翠黛山を目指す。

f:id:nmy:20190310131953j:plain 焼杉からの翠黛山と金比羅山は、大した登りはない。どちらかと言うと尾根沿いで走りやすいトレイルのはずだけど、なぜか体が動かない。お腹が空いてきた。またジェルを1つ空ける。そして次々と後続のランナーに追い抜かれる。

f:id:nmy:20190310133251j:plain ああ、金比羅山はこんな感じだったな、このむき出しの尖った岩が金比羅山って感じ。ここから江文峠まで下りだなーとか考えてる。馴染みの道だし、下り基調で特に問題のないトレイルのはず。それでもスピードは出ない。どんどん追い抜かれる。ウィンドシェルもびしょびしょで更に寒くなってきたからレインウェアに着替えた。

f:id:nmy:20190310143548j:plain 江文峠を超えて、瓢箪崩山の登りへ。ここで完全に撃沈。松尾坂や焼杉の登りなど、急で激しい登りがいくつもある中で、よりによって一番楽な部類の瓢箪崩山の登りがこんなに辛いなんて。里山の低山なのにぐやじぃ...。

何とか山頂を超えて、ボーッとしながら緩やかな下りの尾根を歩いていたら後ろから畝ちゃんが走ってきた。心配して声をかけてくれるけど、曖昧な返事を返す元気しかなかった。焼け石にかける水と化したジェルを飲み込んで、少しでも温まろうとレインウェアのフードを被って紐も絞って進む。八瀬まで降りたら、何か食べられる。

f:id:nmy:20200826162846j:plain フラフラ下ってると本日4回目の近藤さんがいた。息子が受験合格したんですよって報告する。おめでとうおめでとうと祝福してもらって元気が出てきた。わっしょいわっしょい。

f:id:nmy:20190310152448j:plain 下りきったところの湧き水をごくごく飲んだ。八瀬のエイドはもうすぐだ。進み始めたら寺島さんがやってきた。キツイっすねーとか言いながらロードを走っていくけどついて行けない。しばらくロードを走ってようやくエイドに到着。今子さんがいる。バナナとドーナツとクリームパンと生八ツ橋とポテトチップとこれは中村さんが出張で買ってきた海苔を揚げたなんかおつまみみたいなビールが飲みたくなるやつなんですって言われてもりもり食べた。寺島さんがコンタクトが亡くなって仕方なくここでレース終わらないかなとか都合のいいこと言っていて、今子さんが突っ込んでる。沢山食べて、笑ってたら元気が出てきた。

でもまだ関門30分前だから大丈夫ですよ、という一言でふと気づいた。そうか、制限時間があるのだった。チョップで制限時間なんて、今まで意識したことなかった。もしかしたらゴールできないかもしれない可能性に、今日初めて気がついた。

f:id:nmy:20190310161719j:plain エイドを出て2度目の松尾坂に挑む。既に時刻は16時を過ぎ、ただでさえ曇っていた空が更に暗くなってきた。元気は出てきたけど、脚に力が入らない。筋肉在庫が空になっていた。さすがに甘くなかった。やっぱり長い距離を走ってないと筋肉在庫量の最大値が減っていくんだろうな。年が明けて2ヶ月間、週末に20〜30km山を走ってただけじゃ長いレースに耐えられる脚はそう簡単に戻ってこない。そういうことなんだろうなと実感しながら残った微力で松尾坂を登る。

途中、西山峠のあたりで他のランナーの方にゴール制限時間が18:30だと教えてもらった。残り2時間で約8km。このまま順調に行けば十分間に合う時間だった。それでも、もし何かあったら、間に合わない時間だ。

f:id:nmy:20190310164312j:plain 登りきったゲレンデは霧に覆われ、何も遮るものがない野原は強風が吹きつけてめちゃくちゃ寒い。ここからは水飲対陣の後の沢から石鳥居までのちょっとした登り以外はほとんど下り。この辺からは誰とも会わないし、ずっと走りやすいお馴染みのトレイルが続くので黙々と走った。

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f:id:nmy:20200826163109j:plain 9時間35分40秒、ワイルドソロ28位でのゴールでした。いやはや、色々あったけど楽しかった。息子の合格祝いのウィニングランにしては無様だけど、久しぶりのワイルドなチョップを堪能できました。やっぱりチョップは最高です。降り続ける雨の中、エイドや誘導でボランティアし続けた方々には頭があがらないです。

f:id:nmy:20200826163126j:plain というウォーミングアップを経て、もちろん本番はさざんか亭。ウォーミングアップでは補給がうまく行かなかかったから、本番での補給は万全です。ハイドレーション(ハイボール)は常に切らさないよう気をつけました。補給は重要ですね。