僕がはてなダイアリーを始めたのは3年とちょっと前です。当時ブログをやりたいと思って色んなブログサービスでブログを開設してみたのだけど、アクセスがあるのは記事を投稿して1分以内。どのサービスもだいたい新着記事一覧のページがあって、そこに載った一瞬だけ、数件のアクセスがありました。
とにかく色々試してみようと始めたはてなダイアリーだったけど、それは他とちょっと違ってました。投稿してしばらく経った後でも、キーワードの含む日記から結構なアクセスがあった。しかも、自分の好きなミュージシャンや作家や映画について書いた記事に、ミュージシャンや作家や映画のキーワードからのアクセスで、きっと同じようにこの人のこと好きな誰かが見に来てくれたんだろうなと思いました。それが何となく嬉しかった。
コメントで直接交流するわけでもない、キーワードを通じて見に来てくれる同じ趣味を持つ名も知らぬ誰か。そうやって来てくれた人がたまにアンテナに登録してくれたりして、僕も登録し返したりとかして、そういう何となく感じる好きなものを通じて繋がってる感がはてなを好きになったきっかけだと思います。
MMORPG とかやってた時も中々ギルドとか入ってけなくて、マイミク申請とかも自分からやったことないシャイボーイ(30歳 会社員)なものですから、間接的に何となく繋がっているというのがね、心地良かったんですよ。世間じゃキモイキモイとか言われる趣味のキーワードでも、ここだったらこんなにいっぱい好きな人がいるんだなあとか思えてね。
だから、はてなに入社して初めてのアメリカ出張で id:jkondo と話した時、それは近藤家の裏庭で白い木製のテーブルを囲んでいた時でしたけど、はてなで何のサービスをやりたいかと問われて、僕はキーワードですと答えました。
その会話の音声、録音したやつが社内のグループにあったのでさっき聞いてみました。鳥の鳴き声がピヨピヨいっぱい入っててとても長閑な感じなんだけど、既にはてなハイクやキーワードブログの原型になるアイデアについても話してるんです。今聞くと全然1年も前の会話に思えなくて、つい最近もそんな話してたような気がしてきます。あれから色んなことがあったよね、なんてセンチメンタルなムードで頬杖ついて朝焼け見つめる朝ですよ。
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あれから1年と3ヶ月。何度かキーワードをリニューアルしようとしたけれど、中々リリースまでには至りませんでした。だけどここ京都で新たな仲間( id:motemen と id:antipop )が加わり、インターンの2人( id:nanto_vi さんと id:ninjinkun )の力も借りて、昨日何とかリリースすることができました。
含む日記が進化した、同じ趣味を持つ人たちの記事が集まって作り出されるキーワードブログ。その場でちょっとひとこと書いて、好きなことについて気軽にやり取りできるハイクブログパーツ。そして、20万以上あるキーワードやキーワードになってないマイナーなワードにまで無限のフィールドが広がる人気ブログランキングですよ。
僕の大好きな映画にポール・トーマス・アンダーソン監督の「ブギーナイツ」っていう映画があって、マーキー・マークことマーク・ウォルバーグ扮するダーク・ディグラーが母親に部屋のスポーツカーやらブルース・リーやらのポスター破られて罵られるシーンがあるんですけど、そこで彼は泣きながら言うんです。「誰にだって1つくらい取り得はあるんだ!」と。彼の取り得はチンポがでかいっていうことだったんですけども、僕にだって取り得はありますよ。それは「パンティ」の人気ブログで不動の1位だってこと。サービス全体のブログランキングとかじゃちっとも1位取れる気はしないですけど、何か1つくらいがんばれば1位が取れるかもしれないって、そういうのが好きなんですよ。「パンティ1位」とか誰も羨ましがらないかもしれないけど、僕にとっては大事なことなんです。ちなみに「黒いパンティ」でも「小学生のパンティ」でも1位ですよ。どうですかこれ。
直接言葉を交わすことは苦手でも、何となく誰かとつながっていられたり、かけっこは常にビリでも、内に秘めたパンティ(特に白と水色の縞模様)への熱い想いじゃ誰にも負けなかったり、そんな人から見たら下らないことでも許容してくれて、ネットの世界の一歩外へそっと背中を押してくれるような、そんなサービスにはてなキーワードがなれたらいいなと思います。