出発

6月6日 水曜日 雨

関西が梅雨入りした日、朝からずっと雨が降っていた。妻は午前中会社を休んで、京都駅まで見送りに来てくれた。お昼ご飯を一緒に食べようということになって、しばらく日本を離れるから、何か日本の味がいいよねって言って、ラーメンにした。京都によくある濃い醤油味のやつ。

関空行きのバスに乗る時、妻が絶対大丈夫だと励ましてくれた。僕が何を考えているか、いつもわかるからすごい。ありがとうと言って別れた。

飛行機に乗ったら、隣に若い日本人の夫婦が座っていた。仲よさそうにおしゃべりしてる。夫婦でサンフランシスコかな、いいなと思った。そして僕は、何故わざわざ一人であんなクソ暑い山走りに行くんだろうと思った。

たまに人から何故山を走るんですか?と聞かれることがある。その時々で、気持ちいいからだとか、自分と向き合えるからだとか、思い付いたことを答えている。それじゃ今回は何故、妻を置いて一人であの去年走ったレースにまた行くんだろう。

チャレンジじゃん。まだ達成してないこと。まだ解除してない実績。40年も生きてたら、毎日やったことあることばかりだ。まだ成し遂げてないけど、絶対不可能でもない、頑張れば届くかどうかという、ちょうど手頃なチャレンジ。カヤマカ湖から夜通し100マイル走り続けて、32時間以内にまたカヤマカ湖に戻って来れるかどうか。なかなかいい設定だと思う。