1. 超昂閃忍ハルカ OP「風のように 炎のように」UR@N
これは本当にいい曲でした。爽快なロックナンバー。ロックを失わないギリギリのポップさで展開していくオケに軽快な歌詞のリズムで乗っていくボーカル。かなりの絶妙なバランス感覚ですよね。ちょっとポップに寄ったら普通のポップソングですし、ハードに寄るとつまらないロックソングになりそうです。ハルカは本編はもちろん、ゲーム以外の部分でも絶妙なバランス感覚を感じさせる作品でした。ハルカの黄色いコスチュームとか格好良すぎてコトブキヤのフィギュア買ってしまいましたよ。
UR@N はこういう軽くポップなロックソングを歌わせると右に出るものはないですね。キラ☆キラの数々の名曲とか。もうちょっとヘビーな方に寄ると片霧烈火なんでしょうけども。
他にも2008年はハードロック調のエロゲソングが豊作の1年でした。G線の「Answer」や 11eyes の「lunatic tears」、エロゲじゃないけど CHAOS;HEAD の 「Find the blue」(とアニメ版の「F.D.D.」も)などなど。真・恋姫†無双の「HE∀ting Sφul」は「Hφwling Sφul」の方が良かったと思うけど。
そもそもヘビーなギターと萌え声の女性ヴォーカルっていうのは美女と野獣的な触手で蹂躙的な中毒性があってエロゲにぴったりだと思います。硬質なギターの弦から轟くディストーションした響きに野太いベースライン、バカスカ踏まれるバスドラと思いっきり殴り飛ばされるクラッシュシンバル、そんな荒れ繰れた男性的な轟音の迫り狂う中を失踪する可憐な甘い歌声。男のロマンそのものです。
2. スマガ OP「(a)SLOW STAR」Swinging Popsicle
このちょっと恥ずかしいサブカル的なコジャレポップ感に耐えられる人なら、いや恥ずかしさを感じる人にこそお勧めしたい1曲です。恥ずかしさ、というのは音楽だけに限らず、いろんな物を楽しむときの最良の友ですし。
オシャレ、というのはエロと対極のところにあると思うんですが、アンバランスさやギャップ、というのはエロゲにも馴染み深い要素です。ツンデレって正にそのギャップですよね。空から落ちてくるところから始まるオープニング、90年代の渋谷系を思わせる恥ずかしいポップソング、挿入歌に大槻ケンジ起用するセンス、殺戮のジャンゴでマカロニのパロディやるニトロですから狙ってるとしか思えません。
ポップでコジャレた OP ムービーと共に楽しみたい1曲です。いや、そういうの全部なしでも十分歴史に名を刻む名曲だと思います。
3. つよきす2学期 OP「Swift Love 〜健全男子に物申す〜」KOTOKO
ゲーム本編は前作に比べて散々な評判の2学期(やってない)でしたが OP 曲は前作に負けず劣らずいい曲でした。つよきすというゲームの良さをそのまま曲にしました、という感じ。ゲーム本編より曲の方が前作の良さを換骨奪胎して再構築してるっていう。どうなのよ。
つよきすはツンデレという嗜好の記号性やゲーム本編で頻出するパロディ要素など、サンプリング感覚とか言うと恥ずかしさで火を噴きそうになりますけど、そこが良さだと思うんですよ。椰子なごみのデレが最良ですけども、その次くらいに。
この曲もオープニングのカッティングギター、そこから乗ってくるペラッペラのシンセサウンド、サビの前で飛んでくるフランジャーのかかったブレイクビーツなどなど、曲を構成する要素の全てがパロディというか何かの記号になっていて、そいつらを組み合わせてポップで楽しい感じを演出するっていう、もうゲーム本編の方法論そのものを体言した曲です。だいぶ恥ずかしいので思いっきり言い切ります。
4. かみぱに!ED「二人の時間」癒月
ひぐらしの You で有名な癒月さんですが、かみぱに!の ED で2曲歌っていまして、どちらもしっとりとしたボーカルがマッチしたいい曲です。特に前半3人の ED で流れるこの曲の破壊力はかなりのものです。歌詞もいいですね。
かみぱに!はシナリオにちょっと厳しいところがありましたけど、個人的には絵と天音とこの曲がとてもよかったのでそれで全て良しです。バンザーイ。
5. Volume7 OP「Perfect World」Rita
Rita は曲に合わせて自分を変化させるカメレオンタイプのシンガーとして、あまり印象に残らない人ではあります。かみぱに! OP とか Sugar+Spice! OP のようないかにもエロゲといった能天気なポップソング、リトバスの名曲の数々に鋼炎のソレイユ OP のような早めのロックソング、何でも来いという感じがするんですが、Rita 個人というのがあんまり前に出てきませんよね。ただこの「Perfect World」のようなミドルテンポながらしっとり歌うポップソングというのが、一番映えるんじゃないかなあと思うわけです。
ところでこの「Perfect World」、公式からダウンロードできる mp3 を延々聞いてるのですが、Full Version 入った CD とか発売されてないのでしょうか。丸々聞きたいです。
というわけで以上5曲挙げたんですが、エロゲの曲というのは中々薦め辛くて、アルバム単位でこれ聞け!みないなこと言えないんですよね。どんなにいい曲でもインストの BGM の中に2曲だけボーカル曲入って3千円とかね。ゲームに思い入れなかったらとても買えないっていう。そんな中 GWAVE シリーズはとっても貴重です。
- アーティスト: ゲーム・ミュージック,矢田みこ,Rita,WHITE-LIPS,橋本みゆき,霜月はるか,芝原のぞみ,彩音,UR@N,Riryka,海原エレナ
- 出版社/メーカー: イマ・エンターテインメント
- 発売日: 2008/12/26
- メディア: CD-ROM
- 購入: 1人 クリック: 42回
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この最新作僕は勿論ジャケ買いでしたが、ここに挙げた UR@N の「風のように 炎のように」や彩音の「lunatic tears」に加えて、霜月はるかの「想いのカナタ」っていうこれまた神曲が入っているのでそれだけでも買いです。いやジャケだけで買いです。お腹いっぱいです。
あと2008年はエロゲ以外だと The Roots の「Rising Down」、Kill Hannah の「Until There's Nothing Left of Us」、Gym Class Heroes の「The Quilt」、9mm Parabellum Bullet の「VAMPIRE」、Adele の「19」を良く聞きました。ヒップホップが豊作な年でしたねー。T.I. や Lupe Fiasco といった新しい世代に加えて、Nas、The Roots、Q-Tip、Common といったオッサンには堪らない面々。特に Roots と NaS はここ数年でもベストな会心のアルバムでした。
アニソンではとらドラ!の「プレパレード」、ストパンの「ブックマーク・ア・ヘッド」(もちろんエイラーニャのバージョン)、喰霊零の「Paradise Lost」に 黒塚 ED の「ハナレバナレ」、true tears の「リフレクティア」などなど、こちらも素晴らしい曲がたくさんありました。
今年もいい曲にたくさん巡り合えますように。