稲刈り

新型コロナウィルスの流行により、走る時になるべく人のいない道を選ぶようになった。ロードを走る時、以前は室見川の河川敷が主戦場だった。信号がなくどこまでもノンストップで走れるし、どの橋で折り返すか選ぶだけで容易に距離の調整もできた。何より川は気持ちがいい。

しかし、河川敷は散歩する人や走る人とすれ違う。もちろん街中ほどじゃないけど、それでも何人かとはすれ違う。より人のいない道を求めて、春ごろから入部の田園地帯を走るようになった。入部には、広大な田畑が広がっている。牛や馬の厩舎だってある。数キロメートルただただ真っ直ぐに、田んぼの間を誰ともすれ違わずに走り続けることができる。

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夏が来るまでそこは、理想的なランニング環境だった。夏は灼熱地獄だ。建物はおろか、街路樹もない道。どこにも日陰がなく、直射日光から逃れられない。青々と育つ稲の成長を脇目に、フラフラになりながら炎天下を走った。

9月になり稲穂が黄金色に色づき始め、台風がやって来て去って行った。台風一過の気持ちの良い朝。コンバインが稲刈りをしているところに遭遇した。今年の春、コロナの流行り始めた田植えの季節から成長を眺め続けた水稲。台風の被害もほぼ無いようで安心した。

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晴天の朝はまだ暑い。それでも日々少しずつ和らいでいく。夏の終わりはいくつになってもどこか寂しさを感じる。

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