シーケンサーと音源とレコーダーとサンプラーとエフェクター。その全部が1本のソフトウェアで賄える、そんなすてきな時代になってたなんて知りませんでした。カナート洛北の島村楽器でパンフレットをもらって id:jkondo 家の2階で読みふけったあの日まで。
近藤さんの家に居候していた今年3月の週末、買い物に寄ったカナートで自由行動の時間があったので、ふらっと楽器屋さんに行ってみたんです。KORG に ROLAND に YAMAHA に AKAI、たくさんのパンフレットが置いてあったので片っ端から持って帰りました。パンフレットのページを捲る度に広がる夢。もしもこんな素敵な機材があったなら、想いの全てを歌にして、あんなビートやこんなメロディであの娘のハートを鷲掴みにしちゃうんだけどなぁなんて、夢想していました。夢見るだけならたタダけど、スタジオ築くにゃ金かかりますから。
あれから5ヶ月経ちまして、こないだの週末で夢に見ていたマイ☆スタジオが一通りの完成をみましたので、ここに自慢させてください。
Cakewalk SONAR 7 POWER STUDIO 25
- 出版社/メーカー: ローランド
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (1件) を見る
DAW には Sonar を選びました。僕は音楽的な知識がないので、昔バンドをやってた時は常に鼻歌で作曲をしていました。だけど、自分の鼻歌を耳コピしてシーケンサーで MIDI に落とす作業が苦痛で苦痛で、まるでペインのようでした。
Sonar 7 の Producer Edition やこの Power Sutudio シリーズには V-Vocal っていうボーカルの処理に特化したもんがついてまして、それには Pitch to MIDI っていうオーディオデータを MIDI に落としてくれる機能がついてるんですね。ラララン♪て調子で鼻歌を適当に歌っても全部 MIDI にしてくれるんで、これがありゃ音楽の知識なんてなくても MIDI データになるんですよ。聞いた音を楽譜に落とせる音感も、楽譜が読める必要も、コード理論とかの知識も不要。自分がこうだと思った通りに適当に歌えばいいだけなんです。
それが決め手でした。この Power Studio 25 っていうパッケージは廉価版の Studio Edition に肝心の V-Vocal と 2 in 2 out のオーディオインターフェースまでついて6万円くらい。うん、高いですね。僕は京都に引っ越す時に前に住んでた家の敷金が返ってきたらそれを楽器代にあててもいいと言われてたので、死ぬ気で不動産屋と交渉して勝ち取りました。やってみると何とかなるものです。
最近は USB 2.0 で接続できる UA-25 EX が付いたパッケージがほぼ同じ値段で出てるので、そっちを買うべきと思います。僕は買った直後に上位版が同価格で出たので自室の壁をグーで殴って一晩泣き通しました。
- メディア: エレクトロニクス
- クリック: 57回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
MIDI キーボードは KORG の microKontrol です。EDIROL のやつの方が Sonar には相性いいんでしょうけども、見た目で KORG の勝利です。ツマミとかフェーダーとかパッドとかそういうの、かっこいいじゃないですか。どうやってアサインしたらいいのかよくわかんないんでキーボードしか使ってないんですけど、気分の問題です。それが一番大事なことです。
MIDI ケーブルで UA-25 につなぐと反応が遅いので PC に直接 USB 接続したいのだけど、PC との相性の問題なのか何なのか、ドライバが反応してくれなくて途方に暮れてます。
【国内正規品】AKG 密閉型ヘッドホン スタジオモニター K271S
- 出版社/メーカー: AKG
- 発売日: 2003/06/30
- メディア: エレクトロニクス
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
ボーカル撮る時マイクが音漏れしたシャリシャリいうノイズ拾ったら嫌だなと思って密閉型のヘッドホンを買いました。賃貸マンション暮らしですから、大きな音出すわけにもいかないので、スピーカー買わずにヘッドホンを優先させたんです。密閉型は長時間装着してると耳のあたりが蒸れてちょっとこの季節嫌な感じなのが難点ですが、黒と銀の渋い色合いが気に入ってます。
また見た目です。自分にないものを求める悲しい性なのかもしれません。
SHURE SM58SE ダイナミックマイクロフォン 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: SHURE
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: エレクトロニクス
- 購入: 2人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
定番ですよね。昔バンドやってた時、僕はボーカル役でいつもこれを使ってたんです。だけどある日 Fender のストラトギター共々盗難にあいまして、それ以来マイクなしの日々を過ごしていました。
あれから一体どれくらいの夜をマイク無しで過ごしたでしょう。ある晩、昔バンドを一緒にやってた友だちが、もうダイナミックマイクは他にあるからゴッパチはオマエにやるよって言うんですよ。顎が外れるほど激しく頷き、是非譲ってほしいとお願いしたら、彼は京都まで元払いで送ってくれたんです。あやぽん、本当にありがとう。大事にします。
それと、写真に写ってるギターも id:jkondo から譲り受け、無料でいただいたものです。
近藤さんの家に居候していたある日、朝寝泊りしていた2階の部屋から階段を下りると、玄関入ってすぐのいらないものコーナーに一本のギターがありました。セミアコのギターがマグカップやお皿や本の入ったダンボールに囲まれて壁に立てかけられていたんです。その場でギターをいただいてからしばらく後、新しい絃とチューナーとシールドを買ってきて張り替えると、ちゃんと音が鳴りました。僕はギターが弾けませんが、ギターは絃を弾くだけで音が鳴るのでどうとでもなると思います。きっとそうです。
+
そんなわけで、設備は揃いました。あと必要なのは度胸だけ。音楽を始める度胸です。がんばって曲を作ってダサい曲しかできなかったらもう立ち直れないんじゃないかと思うと、鍵盤にかかる手が震え、吐き気が胃を襲い、身がちぢこまります。
音楽を始めなければ夢を見続けられる。いつか音楽を始めた時に眠っていた才能が開花して、作る曲はみんなものすごい名曲ばかり、出す CD 出す CD 全部ミリオンヒットでちょー金持ちになって、劇的にかわいいアイドルや声優の女の子からプロデュースの依頼が殺到してモテモテで、僕が死んだ後でも延々二宮の名が世界中で語り継がれていく。音楽を始めてもし自分にそんな才能がないなんてことに気付くと、そんな夢はとたんに色あせ、現実味を失ってしまう。それが怖い。
しかしそんなことしてたらいつまで経っても夢は夢のまま。かつて作った名曲の数々を超える稀代の名曲を作れるように、そろそろ夢の世界から出てきてがんばろうと思います。
こんばんは、こんばんは、こんばんは!